森埜こみち/著
ぺりかん社
A5判 128頁
1870円
「デフスポーツ」「デフアスリート」という言葉が広く知られるようになった。2025年11月にはデフリンピックが日本で開催される。デフ(Deaf)とは「耳がきこえない」という意味であり、本書では耳が聞こえない、聞こえにくい人(ろう者)の文化や歴史、事情に触れながら「デフスポーツ」の世界を紹介する。ろう学校のこと、聴者(耳が聞こえる人)との様々なコミュニケーションの取り方などについても取り上げる。
8人のデフアスリートにインタビューしている。どんな子供時代だったのか、競技を始めたきっかけ、聞こえない自分と周囲の人との関わり方、その競技にどのように魅了されていったかを生き生きと語っている。ろう学校でスポーツに出会う人が多いが地元のスイミングスクールで練習したり、夫の影響で競技を始めた選手もいる。
デフリンピックは1924年に第1回(夏季)がフランス・パリで開催されたのが始まり。パラリンピックと別々に開催されている理由は何か。デフリンピックの見どころも紹介する。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年5月19日号掲載