(公社)全国学校図書館協議会(全国SLA)による「第56回学校図書館賞」「第28回学校図書館出版賞」の授賞が決定し、7月2日、東京・千代田区の日本出版クラブで表彰式および受賞者発表会が行われた。
「学校図書館賞」は、学校図書館の振興に著しい業績を示した個人および団体に贈られる。今回「実践の部」で次の2件が授賞した。
▽「探究的な学びを支える学校図書館」柴田陵子氏
▽「図書館活用教育を中心にすえた教育課程の編成~思考力・表現力・語彙力を高めるために~」荒川区立第三日暮里小学校。
なお、学校図書館大賞、運動の部、論文の部および、酒井悌賞、岩崎徹太賞、小峰廣恵賞、村松金治賞は該当なし。
学校図書館向き図書の優良な出版企画に対して出版社を顕彰する「学校図書館出版賞」の受賞者は次の通り。
▽小峰書店『みんなで考えよう!日本の自給率』(全5巻)柴田明夫/監修:米や野菜などの「食」をはじめ、電気などのライフライン、アニメなど、多様な切り口で「自給率」を取り上げる。”(国内で)足りない部分をやりとりや協力で補い合い、人や国がつながることでより豊かにしていこう”というメッセージも高く評価された。

小峰書店『みんなで考えよう!日本の自給率』全5巻
▽汐文社『みんなで「できる」をめざすくふう 学校の合理的配慮』(全3巻)羽生裕子/監修:一人ひとりの違いを大切にしながら、みんなが楽しく過ごせるよう工夫や解決策を(示すのではなく)一緒に考えるきっかけとなるシリーズ。
▽ほるぷ出版『季節まるごと!理科のこども歳時記』(全4巻)303BOOKS/編著:四季折々の植物、昆虫、星空などを、美しい写真と共に科学的に説明。学校で身の回りの自然について学ぶのは理科であり、国語では俳句を学ぶ。季語の深い理解にも役立ち、国語科と理科を総合的に学ぶきっかけになる。
なお「学校図書館出版賞大賞」は該当なし。
「学校図書館賞」実践の部の受賞者による受賞者発表会も行われた。
柴田陵子氏は山形県鶴岡市や庄内町の小学校で自身の司書教諭としての実践を紹介した。
学校図書館を活用した学びは「自律した学習者にすることが目標」。調べ学習のスキルを身につけるために国語科の情報系列単元に丁寧に取り組むことなどを解説した。「探究的な学習を支えるためには『読書力』が必要」という。柴田氏の実践は、著作『探究的な学びを支える学校図書館』(鎌田和宏/編集・解説)にまとめられている。
東京・荒川区立第三日暮里小学校の実践について、村山貞則校長が紹介した。
図書館活用教育を中心にすえた教育課程の編成を行い、「読書指導」「読書活動」「探究活動」の3つの柱で取り組んでいる。学年ごとに作成された「三日読書ノート」などを紹介した。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年7月27日号掲載