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図書館

図書館活用を継続する組織と仕組みづくり~日本学校図書館学会 研修講座

2026年8月24日

日本学校図書館学会主催による「2026学校図書館研修講座」が7月24日、東京都荒川区立第三日暮里小学校で開催された。同校の村山貞則校長による実践発表、グループワーク、学校図書館見学、帝京大学の鎌田和宏教授による講義が行われた。小学校、中学校、高校の司書教諭や学校司書、教育委員会のほか、大学研究者や出版関係者などが参加した。

第三日暮里小学校の実践

図書館活用を継続する組織と仕組みづくり~日本学校図書館学会 研修講座

第三日暮里小学校の継続した取組に参加者から関心が集まった

「図書館活用教育を中心にすえた教育課程の編成~思考力・表現力・語彙力を高めるために~」を研究主題とした、荒川区立第三日暮里小学校の取組について村山校長が実践発表を行った。

同校の学校図書館を中心に据えた研究は今年度で11年目となった。2022年度からは荒川区教育委員会教育研究指定校、日本学校図書館学会研究推進校の指定を受けている。

図書館活用を中心に据えた教育課程は「読書指導」「読書活動」「探究活動」の3つの柱と、辞書引き学習による「語彙力の向上」が中心となっている。

「読書指導」では、1年生から6年生の各学年と特別支援学級(まつのき学級…今年度から開級)それぞれに応じた「三日読書ノート」を作成しており毎年改訂。主に週1回の「図書の時間」で活用している。児童が読書記録をつけ、教職員は児童の読書傾向を把握して、児童の興味・関心に応じた本から読書の幅を広げる。本を大切にすること、本の貸出の仕方、館内MAP、資料の探し方などを説明する学び方ノート、推薦図書リストなども収録している。教員による読み聞かせや、廊下や階段の踊り場など様々な場所に読書につながる環境を整えている。

「読書活動」として「三日 TRY!読書」を紹介。かごに数冊の本を入れて、時間内にたくさんの本と触れ合えるようにする。いわゆる‘味見読書’の取組だ。作者が同じ、発達段階に合った本、普段手に取らない本など、その時々に応じた本をセットしている。ビブリオバトル、教科の単元と関連した本の紹介カードやクイズ作りなども行っている。

朝の読書の初めの5分間を「辞書引き学習」の時間としている。入学説明会の際に保護者向けのパンフレットを配布し、保護者に辞書の持ち手付きカバーを用意してもらう。常に机の横にかけておき、1年生から辞書引き学習に取り組む。「基礎編」として、自由に辞書を開き、知っている言葉を見つけて付箋をつける活動から始め、わからない言葉を調べるだけでなく様々な取組を通して語彙力を高めている。

「探究活動」は中学年、高学年それぞれ段階的に指導を行っており「学校図書館を活用した読書活動と探究活動年間計画」の一覧表を紹介した。

参加者からは「三日読書ノート」に関心が集まった。児童の読書傾向がわかった後、手にとって欲しい本をどのように勧めているのか、という質問に、村山校長は「お勧めの本を直接わたすのではなく、自然と児童が手に取るよう、関連した本を集めて置いたり、味見読書の際に入れておくようにする、といった積み重ねが大切。荒川区では毎日学校司書が勤務しているため、相談したりきめ細かい対応がしやすい」とした。

また、図書館活用教育を中心にすえた教育活動を継続するにあたり、研究推進委員会などの組織が支えていること、地域との関わりも大きな役割を果たしていることや、「三日読書ノート」の存在が大きく、他所から異動してきた教員も図書の時間にノートを活用すれば授業ができ、それまで本をあまり読まなかった教員でも読むようになると解説。「研究でがんじがらめにせず、こうすれば授業ができると伝え、(図書館活用の)良さを理解してもらうことで、授業の流れが作りやすくなる」と語った。

学校文化づくりへシフト~AI時代に生き抜く力に

帝京大学教育学部の鎌田教授による講義は「AI時代の教育実践と学校図書館~三日小の実践から考える~」。

学校図書館はAI時代を生き抜く力を育み、多様なメディアと子供たちをつなぐ教育のプラットフォームとなる。

最近は長い本を読むことは敬遠されがちであるが、短い文章しか読めなくなっている実態があり「簡単には読めるようにはならず、子供たちには常に働きかける必要がある。読めることが‘愉しい’”自分にとって有用である”を実感しながら積み重ね、読書観として育むことが重要」と語った。

荒川区は学校図書館の先進的な取組で知られる。これを活かし「読書観」を育むことは、子供たちが自ら読み、学び続けるようになるために必須だ。鎌田教授は第三日暮里小学校の長年の取組の継続に向け、学校の研究から「”学校文化”づくりへのシフト」の位置付けや「読書観の醸成・個の探究をゴールにした実践」を提唱した。

 

教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年8月24日号掲載

 

 

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最新号見本2026年08月20日更新
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