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パナソニック教育財団~「2021年度(第47回)実践研究助成 助成金贈呈式」~昨年の助成校がパネルディスカッションで取組の成果を報告

2021年6月19日

(公財)パナソニック教育財団は2021年度(第47回)実践研究助成の助成金贈呈式を5月28日にオンラインで開催。パネルディスカッションとして2020年度の受賞校、4校が実践の成果を報告した。

 


■特別研究指定校4件・一般76件に助成が決定

今年度は全国から269件の応募が集まり、厳正な審査の結果、特別研究指定校として、静岡市立横内小学校(静岡)、榛東村立榛東中学校(群馬)、長岡市立関原中学校(新潟)、学校法人聖ヨゼフ学園日星高等学校(京都)の4校に2年間・150万円の助成が決定。また、一般の助成校として76件に1年間・50万円の助成が行われる。

 


■取組の成果を多くの学校に普及

主催者を代表してパナソニック教育財団の小野元之理事長は「単に助成金の贈呈に留まらず、助成金を活用して成果が出せるようにサポートしていく。1年後には成果を報告書として発信し、多くの学校に普及していきたい」と語った。

 


【選考委員長 東京工業大学 赤堀侃司名誉教授 講評】

GIGAスクール構想への対応やプログラミング教育など今日的な課題が並ぶ中、SDGsへの取組など未来を見据えた研究課題が目を引いた。そこには新型コロナウイルスなど、先行き不透明な社会を生きていく中で、学びを止めてはいけないという思いが伝わってきた。最先端のテクノロジーを活用しつつ、子供たちが元気に生きるための思いが込められた研究に期待する」

 


<パネルディスカッション>

パネルディスカッションでは明治大学国際日本学部の岸磨貴子准教授をコーディネーターに、2020年度の実践研究助成校から魚沼市立宇賀地小学校、郡山ザベリオ学園中学校、北海道函館水産高等学校、福井市啓蒙小学校の4校が「優秀校から学ぶ実践研究の『問いのたて方』」と題し、実践の成果を報告した。


■問いを立てて実践に取り組んだ4件を紹介

岸准教授によると、発表した4校は「問いのたて方」に優れていたという共通点がある。「問いのたて方」のアプローチは、①仮説を立て実証していく「実証する研究」、②実践現場で何が起こっているかを理解する「わかる研究」、③目標に向かって行動を起こしながら成果と課題を確認し、さらに行動を起こす「変化を生み出す研究」に分かれる。優秀校から、どのように問いを立て、実践を進めたかが紹介された。

問いの立て方の3つのアプローチ


【魚沼市立宇賀地小学校(新潟)】

宇賀地小学校では、3年前の卒業生が学校独自のマスコットキャラクターとして米やユリをモチーフにした「うかにぎり」を制作。在校生は「うかにぎり」を、あいさつ運動や宿泊体験学習などで活用してきた。

同校では情報活用能力を教育活動の中に明確に位置付けてこなかったため、基本的な操作スキルや問題解決能力が児童に身に付いていないという課題が見られた。そこで「うかにぎり」を活用して、情報活用能力を身に付ける取組が行われた。

①「ICT活用で探究・発信活動の充実を図ることで情報活用能力は高まるのか」、②「ICT活用とマスコットキャラクターを組み合わせで、どのような効果が得られるか」、③「若手教員のICT活用指導力は向上するか」の3つの問いを立てて実践を進めた。

ICT活用とマスコットキャラクターの組み合わせ」では、自分たちで育てた、お米を販売活動する際に「うかにぎり」を使ってCM動画を制作。「うかにぎり」があることで、児童の情報を積極的に発信したいという思いが刺激された。

 


【郡山ザベリオ学園中学校(福島)】

郡山ザベリオ学園中学校の研究では、生徒が目先のゴールではなく、将来自分が成長していく上での目標を設定するため、ゴールをGとする「G-PDCAサイクル」を回していける生徒の育成が目指された。生徒が「G-PDCAサイクル」を達成できているか、ふり返るためのツールとしてタブレット端末を使うことが有効という仮説を立てて研究を進めた。

G-PDCAサイクル」を意識させる取組として、生徒は1年間を通して「自分がなりたい人間像」というゴールを設定。それに向けて、自分でサイクルを回していく。他にも様々な活動の中で目標を設定し、達成できたかをチェックするという活動を行った。

G-PDCAサイクルの有用性を得るために、7月と1月の2回にわたって生徒にアンケートを実施。タブレットを活用したことで、主体性に関しては「課題を自ら見つけ、判断し、積極的に行動を起こす」、自己分析では「他者の意見を聞き、苦手を把握・分析し、苦手なところを改善している」という回答が増えるなど、タブレット端末の活用が成長につながるという結果が得られた。

 


【北海道函館水産高等学校】

北海道函館水産高等学校は学校が地域から求められているものは何かを考える活動でタブレット端末を活用。自分たちが住んでいる地域は、どのような問題を抱えているか、生徒はタブレットを使って検索。その結果、「海洋漂着ゴミ」「ペット問題」「廃棄物処理」「人口」「漁業」という5つの課題があがってきた。その中から海洋に関する問題として「海洋漂着ゴミ」と「漁業」に絞って研究を進めた。

調査の結果、海岸にはアマモという海草が漂着ゴミにからみついて、打ち上げられていることが分かった。そこでゴミを減らせば、海草が増えると仮説を立て、海岸清掃を実施した。市役所とも協力して、大掛かりな海岸清掃活動を予定していたが、コロナ禍で海岸が立入禁止となり延期が決定。立入禁止が解除される20209月に学校のみで海岸清掃を実施し、約80名の生徒が参加した。拾ったゴミの比率を調査した結果、家庭から出るプラスチックごみが多いことが分かり、生徒たちは自分が住んでいる家庭ごみの問題の大きさを実感した。

 


【福井市啓蒙小学校】

福井市啓蒙小学校の研究テーマは「支援を要する児童の主体的な活動を促すICTの活用」。ICTを活用した個別支援が通級クラスとの連携交流を促進するという仮説を立てて実証した。支援を要する児童の保護者は、子供が社会に出たときを想定して、同学年の児童とのかかわりを望んでいる。しかし、特別支援学級と通常学級の間に子供同士の交流が見られないなど関係構築が十分にできていないことが課題とされた。

そこで特別支援学級と通常学級の児童が交流を行うことで、支援学級の教育の質向上を図った。その際、支援を要する児童や特別支援学級の児童が、普段の学びや学校行事などにおいて、主体的に取り組めるよう以下のような場面でタブレット端末を活用した。

①通常学級の支援を要する児童がタブレットを使って、板書を写真に撮るなど、個に応じた支援や自立支援を行う、②通級および特別支援学級の児童がタブレットのアプリを利用して学習を進める、③支援学級で行う「朝の会」で、タブレットを活用して一日の流れや目標を確認し、自立的に行動できるようにする。

 

公益財団法人パナソニック教育財団

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