福岡県久留米市の田主丸中学校(末次正志校長)では、特別支援学級(情緒)の自立活動において、生成AIを活用した探究的な学びに取り組んでいる。
この自立活動では、「わが町田主丸のショッピングタウンを生まれ変わらせよう」をテーマとして、生徒が郷土の魅力を高めるための店舗・施設を構想し、プレゼンにまとめる活動が展開されている。

中学生が生成AIと対話する様子
本単元では、生活の利便性に課題を抱える地域の実情を出発点に、生徒自身が「田主丸にあったらいい店舗・施設」を考え、グルメ・娯楽など多様なジャンルから情報収集を行う。生徒は生成AIとの対話を通じて、自分の構想を言語化。調べたいことを問いの形で整理していく。
生成AIの活用上の工夫として、「生成AIをただの答え探しツールにしない」点を重視している。生徒が困り感を持ちやすい場面、例えばアイデアが思いつかない時や、文章の要約に迷う時など、問い(プロンプト)を工夫するよう支援している。「問いの工夫」の積み重ねは、「語感を磨く指導」でもあり、生徒が生成AIを思考のパートナーとして使いこなすための素地を育てるものといえる。
本実践は、特別支援教育の文脈においても生成AIが有効に機能することを示す好事例だ。地域の魅力を生徒自身が発見し、生成AIとともに言葉と画面で表現していく学びは、郷土を愛する態度とデジタルで思考・表現する力を同時に育む、これからの時代にふさわしい学習の形といえる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年7月27日号掲載