札幌国際大学・札幌国際大学短期大学部とみんがくはこのほど、包括連携協定を締結したと発表。本協定は、生成AIの教育的活用を通じて、大学教育の質的向上と次世代教育モデルの共創を目的としたもので、6月より連携を開始している。
昨今、生成AI技術はChatGPTに代表されるように急速に進化し、教育現場においてもその活用が注目されている。みんがくは教育現場に根ざした実証的な取り組みを重視しており、本連携で両者は、以下の4つの重点分野を中心に共同実践を進める。
みんがくが開発する「スクールAI」を活用し、札幌国際大学におけるオンデマンド授業や大人数授業でも、AIによる対話的かつ個別化された学習支援環境を提供。
学生がAIを適切かつ誠実に活用できるよう、AIリテラシーと学術的倫理の両面を指導する教育プログラムを大学とともに開発。AI利用ログの記録や不適切使用の検知システムも導入予定。
レポート評価支援機能などの導入により、教員の業務負担を軽減。併せて、AIの授業活用に向けた研修コンテンツも提供し、教員のスキルアップを支援する。
半年間の実証研究を通じて得られた学習データや実践成果を分析・可視化し、教育DXにおけるAI活用の有効性と課題を明らかにする。成果は学会や論文を通じて広く共有する予定。
驚異的な進化を遂げる生成AIは、学生たちの思考のあり方を大きく変えつつあります。自らの考えをうまく見出せない学生や、文章作成を苦手とする学生にとって、生成AIは欠かせない存在となっています。一方で、生成AIの返答を「正答」として受け止めてしまう学生も少なくなく、レポート作成などの機会が多い大学生にとっては、生成AIを適切に活用するリテラシーが急務の課題であると言えます。
そこで本提携では、生成AIを活用した個別最適な学びの推進を具体的に指導し、学生が自らの考えをどのように広げ、深めていけるのかを検証します。その際には「スクールAI」を活用し、学生の学習ログなどを分析します。また、大学教育においては、評価や教材作成の場面にも生成AIを取り入れ、教員が生成AIという新たな視点を用いて授業改善を進めていく観点からも検討を行います。