スタディプラスのStudyplusトレンド研究所はこのほど、全国の高校生を対象に実施した「探究学習に関するアンケート」の結果を公表した。それによると、4割近い生徒が探究学習のテーマ決めに難しさを感じていることが明らかになった。
調査は、7月25日から7月29日にかけて学習管理アプリ「Studyplus」上で全国の高校生を対象に実施、1,168人から回答を得た。
探究学習の中で難しいと感じている工程は「テーマを決めること」で37.4%だった。
探究学習の取り組み内容に関して地域ごとに集計した。地域差が出た項目は「学校外(地域・人)との連携」で、九州・沖縄と北海道・東北は約50%だったが、関東は約30%で20ポイントほど開きが出た。また、近畿は他の地方と比較して「調べ学習」の数値は低いが、「発表(クラス内・クラス外ともに)」や「ポスターセッション」は高くなっている。
現状の進め方に対して生徒が求めていることを聞いた。まず「グループディスカッション」に対して「グループ活動になることで自分のしたかったことからずれてしまう」「グループ全体で評価されることに違和感を感じる」といった意見や「グループ決めが出席番号で適当」といったグループの振り分け方に関する回答があった。
調査結果を受け、同研究所は次のようにまとめている。
今回の調査で、探究学習の目的は「考える力・話す力を育てるため」(50.4%)だと認識し、“自分を成長させるための学び”にしたいと考えている生徒が多いことがわかった。一方でテーマの選定には課題があり、「自分の趣味・好きなこと」(64.8%)を出発点にしつつも、「決めることが難しい」(37.4%)と感じていることがわかった。
また、自由回答からは、「先生からのサポートが少なくプリントだけ渡されて終わり」「知的好奇心をそそる仕組みが必要」といった進め方への戸惑いや「まずは生徒のやる気を引き出すことが大切」「テーマ設定や進め方が曖昧で困る」などサポート体制への不満が寄せられた。
「探究の学び」は世の中の不確実性に呼応してより一層求められることだろう。ただ、教育機関や教員に委ねる体制には課題がありそうだ。子供たちをどう導いてあげるのか、地域や企業、メディアを含めた社会全体で考えていくことが日本の未来を少しでもよくするための第一歩になりそうだ。
▶︎本調査の完全版はこちらで閲覧できる。