科学コミュニケーションやテクノロジー事業を展開するカクタス・コミュニケーションズは、日本の研究者らを対象に実施した「研究者のAIツール利用に関するアンケート」の調査結果を発表した。
調査結果によると、研究者の78.7%がAIツールを日常的に利用しており、「ほぼ毎日」または「週に数回」利用する割合は78.9%に達した。「1年前と比べてAI利用が増えた」と答えた人は93.7%に上り、研究現場においてAI活用が急速に定着している実態が明らかになった。

利用目的においては明確な変化が見られる。従来の翻訳や英文校正中心の活用から、研究の初期段階や情報整理といったワークフロー全般へと活用範囲が拡大している。
具体的には「先行研究・関連文献の検索」が71.0%で最多となり、次いで「論文・資料の要約」(62.5%)、「論文・英文の校正・校閲」(59.6%)が続いた。

AI活用が研究成果に与える影響について、93.5%が「研究者の競争力に影響する」と回答した。さらに91.0%が「論文の採択や評価に影響する」と捉えており、単なる作業効率化にとどまらず、研究成果の発信や競争力に直結する要素として認識されている。
一方で、リスクに対する意識も高い。AI利用における懸念点として、91.1%の研究者が「誤情報(ハルシネーション)」を挙げた。そのほか「データ漏洩」(63.9%)、「剽窃」(53.4%)、「不正の増加」(53.4%)などが続いている。
AIのみを活用して論文投稿を行った研究者は14.4%となり、2024年調査の8.8%から増加した。しかし、最も高かったのは「AIと専門家サービスの併用」で45.7%を占めた。
専門家サービスに期待する役割としては「AIでは不安な正確性の確認」(69.3%)が最多となった。AIの限界や不確実性を理解した上で、成果物の正確性や信頼性を担保するために専門家による確認や支援を組み合わせる動きが主流となっている。
<調査概要>
調査手法:アンケートフォームによる自主回答形式
実施時期:2026年5月14日~6月21日
調査対象者:エディテージ利用者および日本の研究者
回答数:693