2025年度全国学校保健・安全研究大会が11月20、21日の2日間、「生涯を通じて、心豊かにたくましく生きる力を育む健康教育の推進~急速に変化する社会の中で、主体的に健康課題の解決に取り組む子供の育成」を主題に神奈川・横浜市内で開催された。文科省、神奈川県・横浜市教育委員会、(公財)日本学校保健会等が主催。

学校現場の安全体制の構築事例を発表
初日の全体会(開会式、表彰式等)に続き、2日目は課題別研究協議会が、10分科会で開催された。「学校・家庭・地域等が連携した効果的な安全体制整備の在り方について」(第10課題)を主題にした協議では、小・中学校、支援学校それぞれの現場からの実践を発表。
宮城・石巻市立桃生中学校は2024年度セーフティプロモーションスクール(SPS)認証を受け、同年度は災害安全を重点領域に活動した。
取組の内容は「自ら判断し行動する力を養う活動」(毎月想定を変えて生徒シェイクアウト訓練、自転車通学用ヘルメットの日常的な活用、想定を変えた避難訓練、他県災害地の中学校とのオンラインでの交流)、「地域連携の強化」(地区の幼保小中合同での引渡し訓練、地域防災連絡会の活性化、地域避難所でのトイレ設営等防災訓練への参加)、「災害リスクを踏まえた防災教育の推進」(水害の危険性が高い地域のため水害に関する出前授業、原子力災害への避難訓練)などに取り組んだ。
発表した同校の和泉千佳子校長はSPSの取組の成果に一つに、コロナ禍で停滞していた地域との連携を再開できたことを上げた。「中学校の活動を地域に発信でき、地域の特にお年寄りと生徒が接する機会ができ喜ばれた。そのことは生徒にも自分たちの住む地域に目を向けさせるきっかけになった」と報告した。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年12月8日号掲載