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教育ICT

【特集】第45回全日本教育工学研究協議会 全国大会

2019年10月14日
昨年JAET川崎大会全体会

昨年JAET川崎大会全体会

第45回全日本教育工学研究協議会全国大会島根大会では大会テーマを「日常的なICT活用が拓くクリエイティブな学びを目指して」として10月18・19日、島根県民会館(松江市)で開催する。初日は雲南市の次の学校で授業を公開する。▼雲南市立木次小学校▼雲南市立斐伊小学校▼雲南市立寺領小学校▼雲南市立西日登小学校▼雲南市立木次中学校▼島根県立三刀屋高等学校 島根県民会館では、全大会、研究発表、ワークショップ、企業展示が行われる。情報交換会も別会場で実施。主催∥日本教育工学協会(JAET)共催∥島根県メディア教育研究会、(一社)日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)後援∥文部科学省、島根県教育委員会、松江市教育委員会、雲南市教育委員会、米子市教育委員会ほか

公開授業 みどころ

例年、情報活用能力の育成やICT活用に関する実践研究を積み重ねたJAET役員が授業公開校の研究支援を行っており、本大会でも6校を支援。当日を迎える。

異学年合同でプログラミング

▼雲南市立斐伊(ひい)小学校(授業指導∥東北学院大学・稲垣忠教授)

6年総合的な学習の時間を公開。「クリエイティブな学び」に子供たちが熱中するのは、「表したい」「創りたい」思いが根底にあるときと考え、2年生生活科「まちたんけん」、6年生総合的な学習の時間「平和について考えよう」で、子供たちの創りたい気持ちを引き出す単元づくりに取り組んだ。課題に出会い、情報を集め、整理・分析し、表現する、探究学習の枠組みを実りあるものにするために、新学習指導要領で「学習の基盤となる資質・能力」に位置付けられた情報活用能力を体系的に育成する計画を立てている。さらに、現代の子供たちらしいICTを取り入れた表現の工夫として、プロジェクションマッピングを取り入れた演劇や、ARを活用して子供作品を公開するなど意欲的な取組が公開される予定だ。

▼雲南市立木次小学校(授業指導∥放送大学・中川一史教授)

4授業(自立活動、1年国語、3年社会、6年総合的な学習の時間)を公開。ICT活用だけでなく、授業づくりと授業改善のポイントや基本的な授業の流れ等について校内で共通理解を図り、授業力向上に取り組んでいる。探求の道具としてICTを使う意識を高めるために、授業だけでなく教員や児童が日頃から活用するICT活用の「日常化」を進めた。2015年度より実物投影機、プロジェクター、無線LAN、教員用タブレットPC等整備を進め、2019年度には児童用計33台、教員用計12台。1学級で全員が活用できる環境。さらに、各普通教室に印刷、コピー、スキャンができるカラー複合機も整備して活用。(関連11面)

▼雲南市立西日登小学校(授業指導∥和歌山大学・豊田充崇教授)

5・6年複式算数を2学級公開。5年生は「正多角形の作図」でプログラミング学習、6年生は「資料を作って考えよう」で統計学習に挑戦。「プログラミング」と「データサイエンスの基礎(エクセルでの統計処理)」の2つの授業を複式学級の算数の授業として実施する挑戦。

▼雲南市立寺領小学校(授業指導∥常葉大学・佐藤和紀専任講師)

2授業(3・4年プログラミングの時間、6年特別活動)を公開。朝の活動でタイピング等ICTスキル向上に関わる練習を行っており、その成果を示す。

3・4年プログラミングでは異学年合同で「小学校プログラミング教育に手引き」C分類の活動を実施。グループ活動を通してコミュニケーションを重視した。

6年特別活動では、雲南市で取り組む「睡眠」の学習で、全校児童の実際の睡眠データをもとに表計算でグラフ化。各学年を対象としたプレゼンテーションを作成する。

▼雲南市立木次中学校(授業指導∥島根大学・深見俊崇准教授)

3授業(2年数学「一次関数」、3年国語「おくのほそ道」、3年理科「放射線」)を公開。数学では、日常場面を基にした題材から数学的な問題解決につながる実践を構想。作成したグラフをリアルタイムで共有する際にICTを活用する。国語科ではペアで取り組むプレゼンテーション活動に日常的に取り組んでおり、ペア同士で考えた表現の工夫や創造的なアイデアをグループで学び合う。理科では、生徒同士の学びをつないだり、広げたりするなどで日常的にタブレットPCを活用している。

▼島根県立三刀屋高等学校(授業指導∥島根県教育庁・板垣亨指導主事/島根県教育センター・加藤和範指導主事)

2授業(1年コミュニケーション英語、3年地理B)を公開。地理では統計データからの推測、Google Earthを活用した地形イメージの獲得などに探究的に取り組んでいる。英語では、ペア同士の英会話によるリスニングとスピーキング、ヘッドセットと音声録音機能を使ったスピーキング、キーボード入力による個々の考えのライティングなど。

 

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年10月14日号掲載

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