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教育ICT

学習者用デジタル教科書本格運用でキャッシュサーバ設置 学校ネットワークの課題を検証・解決<姫路市教育委員会総合教育センター教育研修課・藪上憲二氏>

2022年4月4日
第87回教育委員会対象セミナー・神戸
姫路市教育委員会総合教育センター教育研修課・藪上憲二氏

姫路市教育委員会総合教育センター教育研修課・藪上憲二氏

2019年度に各校21~41台の学習者用端末(Chromebook)を配備しSINETに接続する等、GIGAスクール構想以前から教育の情報化に取り組んでいる姫路市教育委員会(小学校66校・中学校32校、義務教育学校3校、特別支援学校1校、高等学校3校)の藪上氏は、これまでに生じた課題に対する対応について報告した。

◇・◇・◇

■姫路市の現在

2020年度はSINET10Gで接続するとともに学習者用端末配備を完了。21年度には学習者用端末を全市立高等学校各2学年分に11台を配備。校務支援システムも導入し、幼稚園のICT化も実施した。

小中学校においては学習者用デジタル教科書実証事業に参加すると共にネットワーク遅延について調査・対応した。

■通信遅延の課題が生じた

2020~21年度に発生したのは主に通信遅延問題だ。

特に朝の時間において遅延が顕著であった。授業でも、特に5時間目の開始時間に通信が集中し、つながりにくいという現象が生じた。回線のひっ迫は校務系ネットワークにも遅延の影響を及ぼし、校務支援システムに接続できない事象も発生した。

さらに文科省事業で導入した学習者用デジタル教科書は常時接続をして活用するため、回線状況に影響を受け、一斉に使用しようとしたときに遅延が発生した。

姫路市ではローカルブレイクアウトの予定はなく、センター方式で接続している。そこでネットワークの上流から下流まで、学校、教育委員会、通信事業者、兵庫情報ハイウェイ等、いくつかボトルネックの可能性がある箇所の調査を実施した。

■上流部分を調査

まずセンター~SINET~インターネットまでの上流部分を調査。混雑している時間帯に通信確認を行ったところ、SINETを使用していることもあり、特に遅延は発生していなかった。

■下流部分を調査

各学校から通信事業者網への接続を改善するため、300Mのベストエフォートであった一部の学校を200Mの帯域保障とし、ある程度の改善は見られた。ただし全校を帯域保証とすることは費用的に困難であり、混雑時の遅延が完全に解決したわけではない。

■トラフィックを分析 問題はアップデート

上流と下流の間に帯域制御・通信可視化の検証機器を設置して通信量の分析を実施。

すると朝の8時過ぎがピークで、さらに5時間目の開始時間付近で第二のピークを迎えることがわかった。通信集中の原因は主にChromeOSのアップデートにあることもわかった。

そこで帯域制御装置上で「アップロード要求」に上限を設ける設定とする「トラフィックシェービング」を実施。

パケットロス率は大幅に改善したものの、現場における体感での変化に乏しかったため、このほかの方法も検証することとした。

ChromeOSのアップデートがキャッシュ可能であることをGoogleに確認した上で、総合教育センターにおいてキャッシュサーバの設置効果を検証した。

高等学校用情報端末1500台のキッティング作業でキャッシュサーバを設置して検証したところ97%の通信量削減が実現。その結果を受け、生徒数約1000名の中学校で約1か月半検証を実施したところ、キャッシュサーバの設置効果により22%の通信量削減となった。そこで各校にキャッシュサーバを設置することで解決を図れる見込みが立った。

■学習者用デジタル教科書DLの問題を解決

昨年度より学習者用デジタル教科書の実証事業が始まり、国の報告によれば、理論上1校あたり約200Mbpsが保証されていれば良いとされているものの、多くの教育委員会で採用されている「1Gベストエフォート接続」の場合、継続的に200Mbpsの帯域を保証することは困難である。

しかし全校に帯域保証を実装することは、現在の数倍の回線費が必要となる。

そこで、アップデートの時と同様にデジタル教科書のダウンロードコンテンツをキャッシュサーバに蓄積することで、1回のダウンロードで配下の全端末に配信できるため、大規模校ほどダウンロード容量を減らすことができると考えた。

そこで、もともとデジタル教科書のキャッシュ機能を持つ機器にGoogleのアップデートファイルを保持できる機能を実装するようメーカーに依頼。1台のキャッシュサーバで2役果たす機器を導入することとした。

もちろんキャッシュ機器の導入にも予算は必要だが、回線の増強と比較するとかなり安価である。

本市はChromeOSを前提とした解決策であったが、iPadWindowsPCの場合もアップデートサーバを校内に設置するだけである程度の回線ひっ迫の問題が改善するのではないかと考えている。

学習者用デジタル教科書の本格運用はキャッシュ機器がないと難しいのではないか。ただ、動画コンテンツはキャッシュでは対応できないことから、その際はトラフィック制御も併用する必要もあるだろう。

■今後の予定

2022年度はGIGAスクール運営支援センターを設置。市立高等学校のBYAD配備を実施するとともにデジタルドリルの保護者負担を実施する。【講師】姫路市教育委員会総合教育センター教育研修課・藪上憲二氏(講演時)

【第87回教育委員会対象セミナー・神戸:2022年3月18日】

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年4月4日号掲載

 

  1. 京都精華大学 教授・鹿野利春氏
  2. 箕面市教育委員会学校教育室 指導主事・岩永泰典氏
  3. 姫路市教育委員会総合教育センター教育研修課・藪上憲二氏

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最新号見本2022年04月28日更新
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