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教育ICT

“当たり前”を見直して働き方改革を進める<徳島県教育委員会 中川斉史教育長>

2025年9月18日

8月1日、第121回教育委員会対象セミナーを松山市で開催。徳島県教育委員会と松山市教育委員会が教育DX・校務DXの取組について報告した。

関連:GIGA2期 学年に応じて端末の仕様を変更<松山市教育委員会松山市教育研修センター 小田浩範指導主事>


徳島県教育委員会 中川斉史教育長

徳島県では県域アカウントを整備し県全体で教育DXを推進。中川斉史教育長が、県域アカウントの活用や、働き方改革の取組を報告した。

◇ ◇ ◇

県内の小・中学校、高校、特別支援学校すべてに県域のGoogleアカウントを整備。12年間使い続けることができる専用ロッカーのイメージだ。端末やツールに依存せず、アカウントに紐づけて学習成果物を蓄積でき、キャリアパスポート作成の一助にもなる。

県域アカウントのメリットは、標準ツールの活用にある。ツールが統一され児童生徒や教員への操作指導が不要で、探究学習など学年や校種をまたぐプロジェクトも円滑に行える。

今年度よりすべての教員研修で紙の資料をやめ、県域アカウントを活用しClassroom上で配布している。先進校の教員などを講師とするオンデマンド形式の推進者研修も実施。研修後は共同編集機能により、ふり返りを共有。これは操作やツール活用の習得にもつながっている。

定期的なテレワークで有事に備える

県教育委員会では、「県教委からはじめよう」という方針のもと、クラウドによる資料共有や共同編集、チャットなどを活用し学校と同じ環境で業務を実施。さらにテレワークによる在宅勤務を定期的に取り入れオンライン会議に慣れるなど有事でも支障なく業務を行えるようにしている。

学校現場でも、さまざまなオンライン活動を日常的に取り入れている。全校集会をオンラインで配信する際には教室で教員が操作する様子を児童に見せることで操作の復習となり、児童が自宅や避難場所などから接続しやすくなる。

学びを止めないための備えとして、コロナ禍で整備された環境を日頃から工夫して活用することが大切だ。

発出文書を見直し 働き方改革特化のHP

教員や管理職として学校現場にいた頃、異なる課から似た内容の調査が届くなど県教育委員会への提出文書の多さに問題を感じていた。

そこで、発出文書のスクリーニングを実施。県教育委員会が教員に回答作成を求めている文書の頻度、時期、内容などを調査した。これをもとにフォームを活用する、記入内容を削減するなど、県全体で見直しに取り組んでいる。

また県域のグループウェアで、県からの通知や案内を全教員が直接閲覧・提出できる。市町村立と県立で環境が異なるため、来年度以降に統一を図る予定だ。

「とくしまの学校における働き方改革」のHPも作成し2週に1度の通信で好事例などを紹介。1日の勤務終了後から翌日の出勤までに一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル」に挑戦した学校や、勤務時間外の留守番電話設定についての各校の比較など、他校の様子を知ることで「自校でもできるかな」という思いをもつきっかけになる。

次期学習指導要領を待たずとも、実施できることは多い。授業時数(総時数)の見直しや、長期休業の前後を「ゆっくりスタート」にする学校も増えている。

教員は子供たちの身近な存在として、「働き方」を見せている存在である。教員自身が、子供にとってのキャリア教育の手本となれる環境づくりが必要である。

教室内デュアルディスプレイに時間割表示

研究指定校において県独自の教育DX推進事業を行っている。海陽町立海部小学校では、GIS(地理情報システム)を活用し、地域調べの成果を可視化。児童の記述の補助や問いかけにはAIを活用している。

リーディングDXスクールである東みよし町立昼間小学校では、標準ツールを活用した実践事例をまとめており、7月には100事例を超えた。

同校の教室にはホワイトボードと可動式の電子黒板、時間割などを表示するデュアルディスプレイを整備。クラウド上に全クラスの時間割が共有され、教員は職員室や自宅から記入でき、児童は自宅から確認できる。

東みよし町立昼間小学校の普通教室環境。デュアルディスプレイには時間割などを表示

指導案は皆で作り上げるという意識のもと共同編集で作成。授業者をはじめ各自が直接入力・修正、コメントでき、変更履歴も残る。前時の内容はリンクで確認できるようにしている。異動してきた教員専用のGoogleサイトも作成。年間行事予定や34月の動きなどを掲載し安心して赴任できるよう配慮している。

DXハイスクールには今年度10校が採択。鳴門渦潮高校ではスポーツデータサイエンスに取り組み、城西高校では農業DXに取り組んでいる。

いじめ・不登校対策として、中高生向けに匿名で相談できるアプリを導入。相談員が回答し、緊急度の高い相談は学校が対応。昨年度は「みんなでいじめ問題を考える日」を設定。児童生徒65千人がいじめ防止の一斉学習を行った。

教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年9月15日号


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