キンチョイ・ラム/著
八木橋伸浩/日本語版監修
くまがいじゅんこ/訳
玉川大学出版部
A4変型判 72頁
3740円
定住地をもたず移動しながら生活する民「ノマド」。極北のシベリア、サハラ砂漠、東南アジアの海など、世界のさまざまな環境で伝統的な暮らしを続ける7つのノマド社会を、美しい絵とともに紹介する。
ノマド文化は「狩猟採集民族」「牧畜遊牧民」「職人・商人の移動民」の3つに分類される。本書で紹介する7つのノマド社会は、文化や環境は異なるが共通点も多い。テントなど簡単に建てたりばらしたりできる住居などの持ち運べる生活スタイル、自分たちの“家’である土地の生態系や生物多様性について独自の知識を持ち、大切に使い、保護していることなどだ。モンゴルの遊牧民、サハラ砂漠のトゥアレグ、ヨーロッパや南北アメリカで暮らすロマといったノマドの人々が、定住者である私たちの歴史や文化、商業とどのように関わってきたのか。彼らが現代社会をどのように生き、何に直面し、これからどうなっていくのか。
環境に調和した暮らしを営む生活スタイルには、持続可能な社会を目指すためのヒントがつまっている。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年5月19日号掲載