(公財)笹川スポーツ財団は日本体育大学体育学部の城所哲宏准教授との共同研究として、全国の小学生の保護者2605人を対象に「気候変動時代における子どもの身体活動と遊びに関する調査」を2025年9月から2026年2月にかけて実施した。
調査からは、多くの子供が世界保健機関(WHO)が推奨する1日60分という身体活動量(登下校などの日常生活の活動や運動など)のガイドラインを達成できていないことが明らかとなった。
2025年9月1日に施行された改正スポーツ基本法では、スポーツ事故防止など安全性の確保の観点から、気候変動への対応が政策的な課題として挙げられている。
東京都港区周辺の場合、2025年度は夏日(25度以上)を記録した日が142日、真夏日(30度以上)が88日、猛暑日(35度以上)が29日。気温40度以上の「酷暑日」も含め、各地で気温が高い日は年々増え、屋外での運動も制限される状況になっており、今後ますますその影響の深刻化が予想される。
気候変動への対応が重要な課題となる中での今回の調査は、同じ児童を対象に9月・11月・2月の3回にわたってインターネットによる追跡調査を実施し、季節による身体活動の変化を明らかにした。
「最近の7日間で1日あたり合計60分間以上の身体活動を行った日」について「5日以上、行った日」を身体活動ガイドライン達成として男女別で調査した。
男子は季節に関わらず達成率に大きな変化はなく、27.7~28.4%で推移。女子は夏季に実施した1回目調査(9月)の達成率が26.8%と最も高く、冬季に実施した3回目調査(2月)の結果が20.0%と最も低かった。(下図参照)

調査から分かったのは、男女ともにガイドラインを達成していない児童が7~8割を占め、季節を問わず身体活動不足が常態化していたこと。
3回の調査すべてでガイドラインを達成した人を「すべて達成群」、未達成だった人を「すべて未達成群」、1回または2回達成した人を「季節により変化群」と定義したところ、「すべて達成群」は男子6.6%、女子4.9%で1割に満たなかった。一方、「すべて未達成群」は男女とも約6割の児童、また「季節による変化群」は男女とも3割強を占めた。


城所准教授
調査からは、現段階で暑さによる身体活動の変化は大きくないことが分かった。城所准教授は「多くの子供にとって、夏は『暑いから』が身体活動を行わない理由のトップとなったものの、涼しくなっても体を動かすわけではなかった。身体活動は優先事項ではなく、他のやりたい事が優先されているのではないか」と考察する。
子供の身体活動不足は深刻な社会問題であることから、調査を継続し、来年度に報告を予定している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年7月27日号掲載