NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)は、「食のリスクコミュニケーション・フォーラム2026」全4回シリーズの第2回「学校給食の課題と安全・安心」を6月28日、都内会場とオンラインで開催。幅広い参加者に向け、3人の講師による講演が行われた。

多くの質問が寄せられた
「学校給食はどのように作られているか」をテーマに講演。今年度、国は小学校のいわゆる「給食費無償化」を進めており、さまざまな方面から関心が高まっている一方、学校給食の実際については、あまり知られていないと感じている。
そこでまず学校栄養士に関する制度を整理して解説。学校栄養士には「栄養教諭」「学校栄養職員」「栄養士」「臨時的任用学校栄養職員」などがあり、雇用形態や職務の違いがある。学校給食法と学校教育法との関係、さらに5月27日に発表された改正食育基本法等について解説した。
また実際の調理の現場を衛生面も含めて動画で紹介。多岐にわたる食育の取組も取り上げた。
演題は「学校給食における安全と安心の取り組み」。同社では学校や保育園の給食を受託。学校給食では自校式の受託が多い。献立は栄養教諭や学校栄養職員が作成し、食材は学校や給食センターが発注するため、受託業者が行うことはない。
衛生管理は、文科省が定めた学校給食の「調理場における衛生管理&調理技術マニュアル」に加え、自治体で定めた衛生管理マニュアルがある場合にはそれに基づいて管理し、さらにHACCPの考え方も導入している。
現場では①手洗い・消毒の徹底、②温度管理…基準値の75℃よりも高い85℃程度、揚げ物の中心温度の記録の徹底、迅速な冷却、③時間管理(2時間以内で提供など)④器具の使い分け(食材<工程>ごとに専用器具を使用して交差汚染を防止)に取り組む。
最近は学校と協働し、イベントや授業など食育活動にも携わっている。
演題は「学校給食施設における実際と課題」。センター方式と自校式それぞれの施設においての衛生管理について、学校給食法第9条に基づく文科省「学校給食衛生管理基準」と厚労省「大量調理施設衛生管理マニュアル」などの視点から現場をモニタリングし、汚染区域(非清浄区域)と、非汚染区域(清浄区域)の各施設を立入調査し、サンプリング食品等の細菌検査を実施。センター方式と自校式それぞれ特有の課題と対応策について具体的に提案した。
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質疑応答では人手不足に関する話題も。
笠原氏は「エリアごとにフリーのスタッフを置き、緊急時に配置できるようにしている。特に感染症が流行する冬場12月以降は、会社全体でヘルプ対応ができるような体制にし、普段現場に出ない、人事部などの部署のスタッフも現場に出られるようにしている」という。
今井氏は「人手不足を補うためには、設備投資し、作業量を減らすことも不可欠。例えば真空冷却機があれば処理した野菜をそのまま冷やすことも容易だが、ない場合は水で冷却する。手間がかかる上、水温では夏場は28℃までしか下がらない。衛生面でも課題になっている」とした。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年7月27日号掲載