日本の学校教育では、基本的に高校を卒業するまで国語、数学、英語は必ず履修することになっているが、社会、理科は高校ではコース(理系・文系など)別に分かれ、選択科目制となっている学校がほとんどだ。
高校の理科は物理・化学・生物・地学の4分野があるが、地学の履修者は減少の一途をたどり、学校によっては地学の授業を開講していないところもある。
近年の気候変動による気象災害や地震災害は、地学の分野だ。地学の履修者が減る中で、日本人の自然災害についての知識は、中学生レベルで止まっているともいわれている。
一方、自然災害から生命を守るための防災知識を身につける上で、地学の理解は欠かせない。災害時の避難行動・避難所運営や特殊災害(原子力災害など)、災害法制などの分野も知っておくべきだろう。
そこで、小学校、中学校、高校の段階に応じて体系化した必修科目として「防災学」を設けるべきではないか。
日本は世界の国の中でも自然災害が起きる頻度が高い国であり、「防災学」の導入は日本全体の防災力の強化にもつながるはずだ。
2021年5月の災害対策基本法の一部改正により、円滑かつ迅速な避難確保のため、「避難勧告」と「避難指示」が、「避難指示」に一本化された。「避難指示」は気象庁が発表する情報などに基づいて、基礎自治体である市区町村の判断で出すことになっている。
仮に「避難指示」が出されなくても、想定を超えるような気象災害が起こるリスクが高まれば、気象情報などから判断して安全な場所に自主避難する行動を起こすべきだろう。
特に崖や沢、河川の近くなど、危険な場所にいる場合(土砂災害警戒区域や浸水想定区域など、災害が想定される区域)は、市町村の避難情報を確認し、発令されている情報に従い、直ちに安全な避難行動を取るべきだろう。
周りの状況を確認し、避難場所への避難が逆に危険な場合は少しでも崖や沢、河川から離れた施設や、浸水しにくい高い場所に移動するなどして身の安全を確保する。また、避難情報が発令されていなくても、急激に気象状況が悪化する恐れがある場合には、「キキクル(危険度分布)」や水位情報などを確認することも必要だ。
日頃から自分事として気象災害への感度を高め、防災意識の定着を図るしか、自分や家族の生命を守ることができないということを肝に銘じておくべきである。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年7月27日号掲載