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防災教育への視点 一般財団法人防災教育推進協会 理事長 濱口和久~第13回「竜巻から身を守る行動とは」

2025年10月20日
連載 防災教育への視点

シャッターを閉めて窓から離れる

日本では平均して年間25個程度、竜巻の発生が確認されている(海上竜巻を除く)。一つの市町村でみれば、約90年に一度程度の極めて稀な気象現象であるが、一度発生すると家屋の倒壊や車両の転倒、飛来物の衝突などにより短時間で大きな被害をもたらすことがある。

また積乱雲からはダウンバーストやガストフロントといった突風もしばしば発生し、竜巻と同様に短時間で大きな被害をもたらす場合がある。

竜巻の強さを表す分類として、日本の気象学者・藤田哲也氏から名づけられた改良藤田スケールが用いられている。竜巻は実測が難しいため、被害状況から竜巻の規模を推定する。改良藤田スケールはJEF0~JEF5までの6段階に分類される。例えばJEF1の風速(39~52㍍以上)で「強い台風」、JEF2の風速(53~66㍍以上)では「猛烈な台風」と同等となる。

台風15号の接近に伴って静岡県内では9月5日、突風被害が相次いだ。牧之原市から吉田町にかけて発生した突風を、気象庁は国内最大級の竜巻と認定(竜巻の強さは風速約75㍍、日本版改良藤田スケールでは、上から3番目に強い「JEF3」と認定)。

防衛大学校の小林文明教授(気象学)は、「巨大な竜巻の中で複数の小さな竜巻が回転しながら同じ場所を何度も通過し、甚大な被害が出た可能性がある。多重渦の構造があったのではないか」と分析している(読売新聞9月22日付)。

気象庁は菊川市西横地で発生した突風に関しては、積乱雲からの強い下降気流「ダウンバースト」か、冷たい下降気流が暖気と接して起こる「ガストフロント」の可能性が高いとしている。

では、竜巻から身体を守るためにはどのような行動をすればよいのか。

屋外にいるときは、近くの頑丈な建物に避難する。そのような建物がなければ、飛散物から身を守れるような物陰に入って身を小さくして頭を守る。倒壊する可能性があるため、電柱、太い樹木に近づかない。

屋内にいるときは、シャッター、窓、カーテンを閉め、窓から離れる。2階建て以上の住宅では、1階のできるだけ家の中心部に近い窓のない部屋に移動する。丈夫な机やテーブルの下に入るなど、身を小さくして頭を守る。さらに気象庁HPから「竜巻発生確度ナウキャスト」を確認したり、テレビ・ラジオ等で情報を収集・確認することも必要である。

竜巻の多くが夏から秋にかけて発生する。まだまだ油断は禁物だ。

 

教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年10月20日号掲載

第1回 日常防災の必要性

第2回 正しい避難行動と防災知識

第3回 自然災害への向き合い方

第4回 史料から災害を読み解く

第5回 「稲むらの火」と「世界津波の日

第6回 専門性とスキル 国が認証へ

第7回 大雪と安全対策

第8回 リスボン地震と国家の衰退

第9回 災害医療支援船と病院船

第10回 意外な盲点「平時の備え」

第11回 財産を守る住宅の耐震化

第12回 富士山噴火のリスク

 

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