災害時の避難先としては自治体が指定している避難所(学校の体育館や公民館)や親戚・知人宅、車中泊や自宅、ホテル・旅館などがある。2024年1月1日に発災した能登半島地震では住宅が被害を受け、住民の多くが自宅での避難生活ができなくなった。
しかし、自宅の安全が確保できている場合は、仮に停電や断水になったとしても避難所に行かない在宅避難の選択もある。そのためには、在宅で最低1週間を乗り切れる備えが必要だ。
具体的には①水・食料の備蓄、②日用品の備え、③情報収集できる体制の確保などだ。①と②は、家族構成や家族事情に合わせて内容や量を話し合い平時から備えおく。③に関しては仮に自宅が停電したとしても、車があれば携帯電話などの充電ができ、ラジオなどで情報収集も可能だ。そのうえ、エンジンがかかれば夏は冷房、冬は暖房の機能があり、自宅より狭いが暑さ寒さがしのぎやすい。当然、車本来の目的である移動手段としても使用できる。
水に関しては、備蓄と言えばペットボトルを連想するが、ウオーターサーバーを使用している場合は、停電するとお湯を出す機能は使用できないが、予備ボトルの水は使用が可能だ。北海道胆振東部地震ではほぼ道内全域が停電し、水を送る機械が停止した地域があった。地震後の道内でのアンケート調査によると、「断水したがウオーターサーバーが役立った」とする回答が数多く寄せられている。
在宅避難はプライバシーが確保できるため、精神的に楽になる。間仕切りもなく、冷たい床に雑魚寝状態でしのぐよりはるかに過ごしやすい。
大都市に多いタワーマンション(高層集合住宅)に暮らす住民に対しては、自治体が指定する避難所への受け入れを想定していないところがほとんどである。なぜなら「タワーマンションは壊れない」、「タワーマンションの住民を受け入れるだけの広さがない」という2つの理由からだ。タワーマンションに暮らす人は特に在宅避難への備えを怠るべきではない。
最後に、災害時に当座の生活に困らないためには、次のような視点が必要だろう。①命に関わる物、②ないと困る物、③あると便利な物。平時からこの3つの視点をキーワードにして、備える習慣が必要である。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年3月16日号掲載