実践発表は千葉県学校栄養士会前会長で木更津市立中郷小学校栄養教諭の坂井幸栄氏が「冷凍食品を活用した献立と調理・管理のポイント~地域の食材も活かしながら~」をテーマに、小学校での具体的な事例を交えながら報告した。発表の要旨は次の通り。
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栄養教諭や学校栄養職員は、子供たちに安心で安全な給食を提供するため衛生管理に努め、効率的な調理作業を進めることが求められる。
冷凍食品を学校給食に活用するメリットは、下処理済みの食材を使うことで作業効率がアップすること、必要量だけ使用できるので廃棄を減らせること、年間を通じて安定した品質を確保できる、といった点が挙げられる。
例えば大量調理の現場では里芋の皮むきは大変な作業だが、冷凍であれば洗浄・解凍の後、すぐに加熱工程に移ることができる。
中郷小学校の場合、自校の給食に加え、市内の他の小学校の給食も調理し配送する「親子給食」方式で約380食を提供している。食材は基本的に当日に納品され、野菜の洗浄は朝7時30分から、釜調理は9時30分から、揚げ物やスチームコンベクションを使った調理は9時50分から実施し、10時30分には配食を完了させ、10時45分には配食校へ給食を運ぶトラックが本校を出発する。その時間に合わせるため、調理の効率化は必須だ。
学校給食で冷凍食品を提供するには保管・解凍が重要だ。納品の際はしっかりと検収を行い、ぬるま湯や常温解凍は避け、調理する瞬間まで徹底した温度管理を図る。こうした取組により食材の品質を確保し、給食の安全性を保持できる。
冷凍食品の調理のポイントの一例を挙げると、加熱調理の場合、凍結した状態のまま食材をフライヤーに投入し、その際、油の温度の急激な低下を防ぐことが大切だ。最初は少なめの量を入れて加熱時間の見通しを立てるなどして、過剰な加熱に注意しながら適切な中心温度を管理する。
冷凍食品を活用した本校の献立と食育について紹介する。地産地消の観点も含め、普段からその日の食材がどこでとれたものかを発信している。5月に提供した冷凍の静岡県産かつおフライは、静岡県で水揚げされたかつおが、急速冷凍され、高い鮮度のまま加工されたもの。その詳細を「今日食べる給食の情報」として学校のHPを通じて児童に紹介した。
「大西洋サバの味噌煮」も人気メニューの一つ。切り身の冷凍サバをショウガと一緒に煮汁で煮ていくが、釜に入れてすぐであれば、動かしても崩れる心配がないのが冷凍ならではの良さ。
かつてはノルウェーやアイスランドで水揚げされていたサバも、地球温暖化に伴う海水温の上昇により、イギリスやロシア近海に変わってきた。メーカーの仕様書から読み取れるこのような情報を児童に伝え、世界地図を広げたりし、社会科などの教科と関連づけていく。
7月には七夕に合わせて「ささかまぼこのお好み焼き風」を提供した。「ささかまぼこに似た食材は何か」と教室の児童に問いかけると「ちくわ」「なると」「かまぼこ」などの答えが返ってきた。話し合いながら食への理解を深めることも食育の一環と考えている。
給食の時間は子供たちが笑顔になる時間。冷凍食品の使い方を改めて捉え直し、単に「便利だから」というだけでなく、「おいしい給食を食べたい」「食について知りたい」という子供たちの思いにつなげる手段の一つと考えている。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年9月28日号掲載