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教育ICT

教職員限定・保護者限定サイトで情報共有 Googleカレンダー共有で利便性向上

2021年4月5日

茨城県守谷市(小学校9校、中学校4校)では国のGIGAスクール構想を受け、第3次学校教育改革プラン 守谷型GIGAスクール構想「GIGAスクール・スマートもりや」を策定。教職員限定研修サイト「スマートもりや」も立ち上げた。既にアカウント配備は終わっており、各校では、市の方針に則った取組を開始。特に働き方改革の面で成果を上げている。守谷市教育委員会指導室の嶋田知成氏に聞いた。

茨城県守谷市のGIGA準備

■教職員限定サイトで研修用動画を充実
教職員限定サイトで校内研修用動画や出張関係の予定、必要書類を掲載・入手できる

教職員限定サイトで校内研修用動画や出張関係の予定、必要書類を掲載・入手できる

教職員限定のポータルサイトでは、全校で円滑にICT活用に取り組むことができるよう、校内研修用動画を50本以上掲載。内容はG Suiteのログイン方法、GメールやGoogleドライブの使い方、Zoomの活用方法、学校ポータルサイトの作り方等で、嶋田氏が各校で研修する際にも本動画を活用している。このほか、守谷型EdTechや守谷型eラーニング等をテーマにした事例動画や各校の学習指導案も掲載。2015年度から作成を始めた「ICT活用事例集」は2020年度から「プログラミング教育」「Web会議システム」「タブレット端末」に分けて掲載した。嶋田氏は「冊子化して配布していたが、デジタル化することで、意図が伝わりやすくなった。教職員は、必要なときにすぐに閲覧できる。ICT支援員の研修内容の統一化を図ることもできる」と話す。Googleカレンダー上に研修や会議等、出張関係の予定を入力しており、クリックすれば該当資料を閲覧できる。

■保護者限定サイトで連絡のデジタル化

市内の各学校では、保護者限定の「学校ポータルサイト」を立ち上げて出欠席連絡のデジタル化や文書のペーパーレス化を図れるように新年度の準備を進めている。既に実施している学校では、保護者の連絡内容を迅速に共有しやすくなったという。

ポータルサイトはGoogleサイトで構築。その方法については前述の研修用動画にも掲載。保護者だけがアクセスできるので、学級通信等に掲載された子供の写真も加工せずに掲載できる。また、黒内小学校ではここから、卒業式の様子を限定配信した(左参照)。各学年のニュース、お知らせ、配布物も閲覧できる。各校のURLは定期的に変更し、安全を図っている。茨城県南西端に位置する同市では東京圏に通勤している保護者が多く、デジタル化は大歓迎という雰囲気がある。

■児童生徒も教員もiPadに

守谷市では児童生徒及び教職員全員にiPadとGoogleアカウントを配備。MDM(年度更新や進級処理、アプリ管理等)とG Suiteで管理する。ICT支援員は中学校区各1名・全4名を配備した。

全児童生徒数約6200人に対して約4200台のiPadは配備済み。それ以外は既設のWindowsPCを活用しているが、8月末にはiPadが行きわたる見込みだ。iPadを選択した理由について嶋田氏は「理科や数学、英語、特別支援の教員からiOSアプリを使いたいという要望があった。iPadは、ネットワークの不具合があっても単独で活用しやすい」と話す。

ネットワークはインターネットブレイクアウトを基本とし、各校1Gbps、大規模校には2Gbpsを配備。活用の様子を見て増強も考えており、5GやSINET接続も検討する。

守小DXビジョンを策定
朝の連絡電話がなくなった
守谷小学校

 同校では、市の計画「GIGAスクール・スマートもりや」を受け、DX推進チームを発足して守小DXビジョンを策定。1人1台端末が実現してからの学校の目指すべき姿を、学校に関わるすべての人で共有し、同じゴールを目指す。本ビジョンに基づき、欠席・遅刻連絡のオンライン化、プリントや健康観察、宿題のオンライン化、G Suiteを用いたオンライン職員室の立ち上げと授業活用を計画。4月からは保護者アカウントもGoogle Classroom上に登録。さらに守小独自のタイピング段位認定・表彰制度を始める。同校では学校独自の取組として、保護者でもあるスクールサポーターが1人1台端末の活用助言や「守小ポータルサイト」作成を支援している。

児童生徒数約800人の同校では、遅刻・欠席連絡のデジタル化により、朝の電話連絡がほぼなくなり、対して遅刻・欠席連絡がGoogleフォーム上に約30件も届くという。電話を受けてメモ書き、さらに連絡帳に記入する作業に約3分かかるとすると、日に1時間以上の時間が削減した。遅刻・欠席連絡は8時10分には担当者が学年順に並べ替え、学級担任はそれを各教室から確認。放課後、担当者は月毎のシートにその日のデータをコピーしたうえでその日のデータを削除し、次の日に備えている。

【守小DXビジョン】▼端末を「教具」ではなく「道具」として日常的に使う ▼SAMRモデルのM(変容)にいち早く到達できるようにする ▼ICT活用とメディア・リテラシー教育を前提とした「デジタル・シティズンシップ教育」を行う

卒業式を2画面切替えでライブ配信
黒内小学校

ムービーカメラで壇上から卒業生の様子を撮影した

密を避けた卒業式や入学式のために遠隔会議ツール等を活用する学校が増えている。守谷市教育委員会でも、卒業式の保護者来場制限対策を各校に依頼している。

守谷市立黒内小学校では、3月18日に開催した卒業式をYouTubeで限定ライブ配信を行った。卒業式の遠隔配信を行った学校は市内でも複数あるが、同校は「遠景と近景の2画面切替え配信」を実施。定点カメラによる会場遠景のほか、卒業証書を受け取る子供の表情も配信した。

卒業式の会場には、6年生児童と一家庭あたり1名の保護者と教職員のみの参加。それ以外の保護者は、同校のポータルサイトから視聴した。

マイクとネットワークカメラ、iPadをライブストリーミングBOX「GV―LSMIXER」に接続して2台のカメラ画面を切り替えて表示した。

ネットワークカメラは体育館全景を撮影。WiFi接続したムービーカメラは壇上から登壇者のアップなどを手動で撮影した。「証書受け取りの時の表情を見ることができた」「参列できなかったが感動した」「離れた親戚にも見てもらうことができた」「2画面切替えが良かった」と保護者からは好評だ。

本仕組みでは有償ソフト不要(無償アプリが必要)で映像配信・校内配信ができ、PC等なしでも配信できるが、同校では配信映像確認のディスプレイ及びコントローラとしてiPadも接続した。本取組はアイ・オー・データ機器が支援。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年4月5日号掲載

 

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