JAET大会1日目のパネル討議は竹園西小学校、みどりの学園義務教育学校、竹園高等学校の教員と各校の伴走講師が登壇した。

パネル討論では各校の取組などを紹介
竹園高等学校の戸井田翔太郎教諭は「本校で授業改善に取り組む『まなプロ』には有志の教員約30人が参加しており、ふり返りを行うことで学習のメタ認知化を図り自己調整ができることを目指した。生成AIについては希望者を募って研修も実施。クラスの意見を生成AIでまとめる、ふり返りの入力前に各自でフィードバックを行う、音楽制作などに取り組んだ」と報告。伴走講師である小林祐紀・放送大学教授は「高等学校で14学級を公開できるということが素晴らしい。学び方に着目してふり返りを積み重ねており、自己調整しながらアウトプットしていた。生成AIも自由度高く活用していた」と講評した。同校の約7割がつくば市内の生徒であり、小中学校で取り組んでいるつくばスタイル科などの取組により入学時からICT活用や学び方の素地ができているようだ。
竹園西小学校の仙波由行教諭と佐久間理志教諭は「授業の課題を自分事にできるように児童の問や対話から課題を見つけるようにした。自ら方法を選択して学ぶことができるようになった」と報告。伴走講師の山西潤一・富山大学名誉教授は「発達段階を踏まえて考えを促し深化する授業づくりを行っていた」と講評。
みどりの学園義務教育学校の瓜阪亮麿教諭、大山翔教諭は「個別学習のみでは深い学びにはつながらないと考えて各種ICTツールを用いた対話を重視して問いを深めている。朝鑑賞でも対話の時間を設けている。ふり返りでは生成AIを利用して対話。より深い学びの支援につながった。自己選択の場面では、なぜ選択したのかを語れることを目標としている。今後は家庭での学びにつなげたい」と報告。伴走講師の久保田善彦・玉川大学教授は「授業設計が上手くできている。活動の後にふり返りを行っており、ポートフォリオも作成していた。ポートフォリオは成長の実感を得て自己調整の原動力にもなる」と講評した。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年12月8日号掲載