両備システムズは6月12日、こども家庭庁「2025年度こどもデータ連携実証事業」の成果を報告した。本実証では大阪府豊中市をフィールドに、住民基本台帳、福祉、母子保健、学校や教育委員会など、市内の関係部署が保有するデータを連携して分析。虐待リスクがあり支援が必要な子供の早期把握と、予防的な支援につなげる取組が行われた。
同市では2026年4月より、本実証で開発したこどもデータ連携プラットフォーム「こどもの杜」などのサービスを導入して取組を継続する。
2023年のこども家庭庁創設を契機に、各課を連携して支援を一体化する組織として「子ども家庭センター」の設置が求められた。2025年度時点で設置率は約7割に達したが、組織統合だけでは解決できない課題も残る。
支援ニーズの拡大に伴う案件増加への対応、組織は一体化しても情報が分断されたままで連携が難しい点、家庭の課題の早期把握が困難な点などである。
豊中市「はぐくみセンター」は、子ども家庭センターとして2023年に全国に先駆けて設置。同センターでも前述の課題を抱えていたことから実証事業に参加。
住民基本台帳、福祉、母子保健、校務支援システムの出欠情報、各校の保健室利用状況、健康診断情報、端末から書き込まれた相談内容などを連携してリスク分析を行う仕組み「こどもの杜」を、マイナンバーネットワーク内に構築。両備システムズがその構築を支援した。
リスクレベルは1~23段階で設定。市ではレベル11以上を「支援対象の可能性あり」と判断する。リスクレベルの内容の確認や変化量の抽出も可能だ。その後対象者に対し、児童福祉、母子保健、教育分野の専門職が参加する合同ケース会議を実施して実際に支援が必要な家庭や継続的な見守りが必要な家庭を検討し、必要な支援につなげている。
既存条件の見直しや新たなリスク判定項目の設定は、過去データをもとにAIを利用。市では実証の成果を踏まえ一部を見直し、2026年度からの本格導入に至った。今後も見直しや整理を進め、より適切な支援判断につなげる考えだ。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年6月22日号掲載