
上田琢哉/著
教育評論社
A5判 240頁
2420円
ケストナーの『飛ぶ教室』は学校を舞台にした子供たちの成長物語であり、一つの理想的な教育の姿とも言える。しかし現代、教育現場で起こる問題の深刻さと多様さは以前とは比較にならないほどになっている。著者は「われわれは今『飛ばない教室』を生きている」としつつ、それを「飛ぶ教室」にしようとするのではなく、「飛ばない教室」なりに子供たちが成長する方法を見つけていくことを提案する。そのために役立つのが「学校臨床」という実践領域であり、スクールカウンセリングは学校臨床の実践のひとつである。
学校臨床を「森」に例えている。外から大まかな形は見えるが、内がどうなっているかは見えづらいからだ。
そこで本書では学校臨床のリアルを伝えるために、学校の日常を、子供、教員、スクールカウンセラーそれぞれが「私の物語」として綴るスタイルで紹介。三者が関わることで‘森’ではどのようなことが起き、変化していくのか。臨床心理的な解説も加わり、学校臨床の可能性について理解を深められる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年11月17日号掲載