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図書館

中学校編~授業の中で生まれた個々の問いを「ナゾトキ」に~ 杉並区立高井戸中学校 (東京都)

2026年4月28日
春の学校図書館特集2026

授業の中で一人ひとりが抱いた疑問を大切にし、探究活動に結び付ける。杉並区立高井戸中学校(隅田登志意校長)での「ナゾトキ」と名付けられた実践では、長期休業中の課題として繰り返し行われる中で、教科と生徒の興味を結び付ける楽しい活動となり、授業に主体的に関わるきっかけとなっている。

同じ学習内容でも生徒の着眼点はさまざま

授業の中で生まれた個々の問いを「ナゾトキ」に~杉並区立高井戸中学校 小野主幹教諭

小野主幹教諭

社会科・教務主任の小野泰大主幹教諭は、以前から授業後に生徒たちが記入する「振り返りカード」を見て、同じ学習内容でも、生徒たちの興味や関心、疑問や着眼点がさまざまであることに注目していた。授業時間が限られる中、そうした個々の疑問を掘り下げるにはどうしたらいいのか、模索が始まった。

探究活動のテーマを決めるため、授業後の振り返りカードと、もう1枚のカードに”気になったこと”を書き溜めるように試みたが、何度も同じことを書く作業は生徒の負担に。また単元の終わりに気になったことを1つだけ調べる取組では、提出前に急いで簡単に検索するだけ、という生徒も見られた。

そこで学校図書館を使ってしっかり調べることを重視し、長期休業中に取り組む「ナゾトキ」へと発展した。

授業の中で生まれた個々の問いを「ナゾトキ」に~杉並区立高井戸中学校

右奥の扉は隣接する高井戸図書館とつながっている

振り返りカードを活用してナゾ(テーマ)を決定

授業の中で生まれた個々の問いを「ナゾトキ」に~杉並区立高井戸中学校 (東京都)

時代区分を分かりやすく

ナゾトキの流れは、まず長期休業前に学校図書館内で1時間を使ってガイダンス、個々のナゾの設定、資料探しを行う。長期休業中にも学校図書館の開館日を設け、学校司書が資料探しのフォローなどを行う。そして休み明けに教室で生徒たちの完成した作品を使った「ナゾトキ発表会」を行う。発表会終了後は作品が廊下などに掲示される。

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ナゾを決める際には授業後に毎回記入する振り返りカードを活用する。(ナゾトキで活用しやすくなるよう、振り返りカードも改訂が重ねられた)。授業後に書き込んだ、感じたことや疑問、「もっと調べたいことリスト」からナゾを選ぶ。

評価の基準は小野主幹教諭から予め示されており、生徒は自分のレベルに合わせて取り組む。「Lv.1事実の確認(そもそものナゾ)…調べればすぐに出てくる情報」「Lv.2社会的な見方・考え方(概念に向かうナゾ)…調べた情報を比較したり、組み合わせたりする必要がある」「Lv.3選択・判断(価値に迫るナゾ)…調べた情報を整理し、多様な意見に触れた上で、自分の考えを導き出す」。

授業の中で生まれた個々の問いを「ナゾトキ」に~杉並区立高井戸中学校(東京都)

表紙をめくる形式で”読みたくなる”

生徒が作る「ナゾトキカード」の仕様は、A5サイズの画用紙2つ折りで、表紙には「ナゾ」やテーマを記入。表紙をめくると中面には調べたことや結論や解説、考えたことがイラスト等も交えて紹介される。

ナゾトキカードには「情報カード」も貼付される。情報カードは本・雑誌、新聞、インターネット、その他で4色に色分けされ、上の部分は調べて分かったことを記入、下の部分は引用元の資料名や著者名等を記入。最終的には上下を切り離し、上はナゾトキカードの裏に貼って発表の際の「カンペ」に、下はカードの下に貼って「出典元の資料」とする。これによって何度も出典元を書き写す手間がなくなった。

学校図書館の資料については、他館から収集した資料以外は特別に選書コーナーを設けることはせず、幅広く資料を探すことを促した。一方で生徒が資料を探しやすくするため、書架の資料を細分化。例えば分類2の歴史は、教科書の流れに沿って配架した。資料が不足している時代区分に気付くことにもなり、選書の参考と資料の充実にもつながった。なお、カードの仕様や配架の細分化など、山内麻央学校司書との雑談から生まれたアイデアも多い。

全学級が同じように本の貸出を受けられるようにするための工夫も。長期休業前のある1日の午前中に学年の全4学級が学校図書館でのガイダンス等を受けられるように調整し、全学級終了後の昼休みに一斉に貸出を解禁するようにした。

他にもロイロノートでは学校図書館の使い方の「虎の巻」として、出典や情報カードの書き方など、よくある質問に対する答えを予めまとめておき、配信した。

生徒の設定したナゾの一例を紹介する。「渡来人はなぜ危険を冒してまで日本に来たのか」「なぜ出島は江戸城から遠く離れた長崎に作られたのか」「稲は暖かい地域で育つのに、なぜ日本では東北や北海道がよく知られているのか」。

生徒たちのナゾトキは1年生の夏季休業から始まり、冬季休業、春季休業、2年生に進級後も同様に長期休業ごとに取り組んだ。回数を重ねるごとに慣れ、複数のナゾから取り組みがいのあるナゾを教員に質問したり、早い段階から自分の取り組みたいナゾを決めて、じっくり調べる生徒も現れた。

また「困った時はポプラディアで調べる」習慣がつき、授業中にメモをとる生徒も増え、教員のサポートがなくても書き留めたことからナゾを設定できるようになった。友達の作品を見ることを通して、見せ方の工夫も考えるようになっていったという。

学習内容と自分の関心を結びつけるきっかけに

各自のナゾは、学期内に社会科の授業で学習した内容から設定するのが決まりだが、例えばサッカーが好きな生徒が授業で習った国の学習と紐づけ‘なぜイギリスには国代表として4チームあるのか’等、自分の関心事と授業内容を結び付けることも増えた。小野主幹教諭は「関心事と関連付けて調べることで、習ったことが実生活に結び付く。社会科は暗記中心と思われがちだが、事実と事実を結ぶ間にあることを知ることで、なぜそうなったかが分かる。そうした社会科の面白さが伝わっているのではないか」と話す。

春の学校図書館特集2026

教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年4月27日号掲載

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