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教育ICT

特別支援教育でICT~松江市立意東小学校「MouseProで多様な入力を支援」

2019年7月9日
特集:先端技術で学びを支える

松江市発達・教育相談支援センターは2017年度からタブレットを用いて「読み」に困難をかかえる子供を支援し、学習の意欲向上や定着につなげている。2019年3月より、文教OS搭載のタブレットPC「MousePro-P116A-EDU」(マウスコンピューター)8台を導入して希望する各校に貸し出し、実践を進めているところだ。その1校である意東小学校の特別支援学級には3台を貸与。同校での実践について井上賞子教諭に聞いた。

ペンタッチキーボード 多様な入力をスムーズに使い分け
特別支援でICTは補聴器や眼鏡のような「学びの前提」

井上教諭が特別支援教育においてICT活用による支援を始めたのは2010年の「魔法のプロジェクト」からだ。以来、携帯情報端末(iPad)活用による障害のある子供達のコミュニケーション力支援や学びの支援、近年はプログラミング教育にも取り組んでいる。

「MousePro-P116A-EDU」(以下「P116A-EDU」)活用のきっかけは、「読み」「書き」に困難を感じる子供への支援の選択肢を増やしたいと考えたからだ。

「様々な実態の子供たちのそれぞれの状況とニーズに対応する手立ては、多い方が良い。学年が上がって扱うデータが増えると、学校に多く導入されているWindowsの方が共有しやすいなど、良いこともある」

「読み」「書き」をより円滑に支援する

ペン入力で手書き文字も変換できるP116A-EDU

ペン入力で手書き文字も変換できるP116A-EDU

特に「書き」に困難を持つ子へのノートテイクを支援するため、井上教諭は「OneNote」と「MetaMoji」を活用している。「ノートテイクの場面が増える高学年以降では、教科や単元や活動で階層を作り、情報を後から参照しやすいOneNoteは、とても使いやすい」という。

プリント課題では、Office Lens(撮影した写真を読み取り可能なデータにできるツール)で取り込み、ペンなどを使ってタブレット上で入力。筆算でも、マス目と補助情報が入った用紙を取り込んでタブレット上で行うなど様々な工夫をしている。

タブレットによる入力は、書くことへの代替手段として有効だが、キーボード入力は「漢字を読めなければ入力できない」面がある。そのため「読めない場合も見たまま画面入力できる」ペンによる手書き入力も必要だ。「書き」に困難を感じる子供は、「読み」にも困難がある場合が多いためだ。

「『P116A-EDU』はペンもキーボードも付属しているため、キーボード入力と画面タッチ入力、手書きキーボード入力などを併用でき、すぐに切り替えることができる点が良い。付属のペンの感度がとてもよく、ペン先も細いので、書きやすい。紐で本体とつないであるので、なくす心配もなくて安心」

「手書きキーボード」とは、「キーボード上で手書きすると指の動きが判定され、文字が入力される」機能だ。「キーボードを活用する」際に「たくさんあるキーの中から必要なキーを探す」ことを負荷に感じる子にとって、有用な選択肢だ。正しくテキスト変換さえできれば、わからなかった「読み」も確認でき、言葉の意味を調べることもできる。

これまでタブレット端末を活用する際にはタブレット上に表示されるソフトウェアキーボードを活用していたが、画面表示スペースが狭くなる。外部キーボードの外付けも手間がかかるが、「P116A-EDU」により、双方を円滑に使い分けることができるようになった。

角が丸く堅牢で保護ケース不要

タブレット端末を長年活用してきた経験上、保護ケースは必ず装備している。

「タブレット端末は角から損傷して画面にヒビが入るため、保護ケースは必須。しかしWindowsタブレットの場合、専用ケースが高価な場合やないものもある。『P116A-EDU』は画面を閉じると堅牢で、ケース不要な点も良い。損傷しやすい角も丸く仕上がっており、多少ぶつけても安心。重量もあり外面はゴム仕様で滑りにくく、机から落ちにくい。よく考えられたデザインであると思った」

USBメモリが活用できることも便利に感じている点だ。「ネット上でデータをやりとりすることが苦手な教員はまだ多い」からだ。

micro:bitをプログラミング

micro:bitをプログラミング

プログラミング教育も5・6年生で始めており、micro:bitなどを活用している。ブロックを動かしたり組み合わせたりするため、タブレットモードで手やペンを使うことで直感的に操作できたという。

「子供1人ひとりの困難の状況や活動場面や学習内容により、使いやすい使い方が変わってくる。『P116A-EDU』は多様なキーボードとタッチパネルの両方をスムーズに併用できる。『読んで情報を得て』『書いて評価を受ける』ことが主体となる学習では、『読み』や『書き』に困難があると、たとえ理解できていても正当な評価を得られない。『自分はダメなんだ』『どうせできない』と自信を失っていた子供たちにとってICTの支えは、補聴器や眼鏡のように学ぶスタートラインに立たせてくれる、かけがえのない『学ぶ前提』。『方法はきっとある』ことを、支援者はもちろん、学びにくさを抱えた子供たち自身にも広く知ってほしい」と語った。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年7月8日号掲載

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