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教育ICT

端末活用1年間で全校が「日常化」 隣の先進校を徹底的に「真似る」 春日井市教育委員会

2022年3月8日

教員の困り感を毎月把握
【藤山台中学校】

きめ細かく振り返り
伊藤一真教務主任 今井浩太教諭ICT担当

今年度は、学習指導要領の文言に注目して生徒像を設定。「自分の持っている知識や技能を組み合わせたり対話的な活動を通して考えを広げたり深めたりすることで目的達成に近づくことができる生徒」とした。

■藤中スタンダード 全授業で実施

まずは事務連絡や行事連絡等日常活用を重視して教員スキルを向上。研修会ではアプリの使い方や実践を共有した。

生徒の自己調整力をあらゆる教科で育むため、藤中スタンダードを決めた。「本時の課題や流れを事前に生徒に提示し、まとめと振り返り」を全授業で実施。課題とともに評価基準と結果を示し、振り返るようにして「自己調整力の育成」を意識。同様にテスト時も、自らの取組を振り返らせるようにしている。

小学校の授業を全教員で参観。小学校の取組を知ることで中学校の内容を考えることができた。教員はチャット上で事例を共有して自らのアイデアをふくらませていった。

数週間に1度の調査で、教員の困り感を把握し、その内容を研修会の内容やマニュアル作成に生かした。4月当初の教員活用は895%であったが11月には100%になった。

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生徒の操作スキル向上のため、朝や総合的な学習の時間にタイピング練習の時間を設けた。何文字入力したかをスプレッドシートに入力すると級が表示されるようにした。4月時点の平均53文字が12月には73文字になり、鉛筆より早く書けるようになった。授業ではスプレッドシートやジャムボードで生徒の様子を把握でき、変容している様子がわかり、生徒同士をつなぎやすくなった。

生徒には、「Chromebookを開いたら、そこは学校。家庭のスマートフォンとは異なり公的な使い方をするものである」と伝え、生徒自身でルールを作成。委員会活動やクラブ活動でも積極的に活用している。

情報モラル教育では様々な動画教材を使用。教材の体系表を作成して学年ごとに実施した。

■生徒の声を授業づくりに活かす

生徒の声を重視したいと考え、2か月に1度、生徒アンケートを実施。様々な教員の授業を受けている生徒からは「テスト前にフォームで小テストをしたい」「音声入力で発音チェックをしたい」など具体的な声が上がった。

今年度はICT活用の場面を広げることが中心だった。次年度は見方・考え方を深める場面での活用を増す。生徒自身が課題を見出し主体的に解決する機会を増やしたい。

学習の見通しを示し自己調整力を育む
岐阜聖徳学園大学 玉置崇教授

同校では「自ら語ることができる」生徒が育まれている。他校にも参考になる点を紹介する。

同校では「主体性を育む」ため、なぜそれを選択したのかを常に「自己選択」する場面がみられた。自分の学習に責任を持つことは「自己調整力」につながり、主体的に考えるからこそ生き生きと活動することができる。

例えば国語では、自分たちのグループで調べる方言を選択。自己選択しているので「なぜこの方言を選択したのか」と聞いても明確に答えることができる。理科も同様に自分たちで実験方法を考え、記録や確認のために端末を活用していた。

教員は、生徒に困り感や学ぶ意義を感じさせる課題を設定。学習の流れを示す道具として端末を活用しており、生徒が「不思議」「わからない」「知りたい」と思えるような、考えるに値する興味深い課題としていた。生徒も話し合いながら納得し合うため、考えのエビデンスを示すために端末を活用していた。

中学校では、正解がでると「よし」、不正解だと「次」と進める授業を見ることがある。同校では教員が正誤判定者になっておらず、コーディネーターとして生徒の合意形成を支援しており、端末は自己選択するためのツールとして活用されていた。

■生徒同士が評価し合う

教員は、生徒同士をつなげることを意識していた。つながる手段の1つが情報端末であった。

「うまいね」「よくなっているよ」と、生徒同士で評価し合っている。これも日常的な端末活用の成果の1つである。生徒同士の関係性ができているので教員が変わっても学びが成立する。

■振り返りを日常化

振り返りも日常化。課題が明確なので振り返りがしやすい。生徒は「振り返ると次の目標がわかる」と言う。教員の雰囲気が良く、わからないことを聞き合える雰囲気や落ち着いた学校環境は同校の財産である。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年3月7日号掲載

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