福岡県築上町教育委員会(久保ひろみ教育長)は、自律した学習者の育成を目指し、「KiDZukiサイクル」を継続して回す学びの過程を通して「知をつなぎ、社会を創る子供」を目指すSTEAM教育の在り方を研究している。「誰が探究サイクルを回すのか」という視点から、年間カリキュラムを見直している。
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築上町のSTEAM教育の全体構想図
まず、A系列では、子供に学びを委ね、「知をつなぎ、社会を創る」学習を50時間、設定している。一方、B系列では、これまで学校や地域で重視されてきた学習を20時間程度設定している。
KiDZukiサイクルは、課題設定、情報収集、整理・分析、まとめ・表現の学習サイクルを段階的に進めていく。第1サイクルでは教員が手厚く支援し、第2、第3サイクルでは子供に委ねて、主体的な学びへと移行している。
子供たちは、試行錯誤を重ねながら問題を発見し、自らの課題を設定するようになっていく。情報活用においては、情報端末や生成AIを積極的に活用して探究的な学びに活かしている。生成AIは、児童生徒が必要に応じて選択し、活用する1つのツールとして機能している。
今後、小中学校での探究的な学びを見直す方向が考えられる。「学習の個性化」から、総合的な学習の時間を見直す時期にある。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年9月15日号