
湯浅正太/著
ミネルヴァ書房
四六判 216頁
2200円
「縁」「つながり」を意味する古語「ゆくり」をキーコンセプトに、医師として多くの事例に向き合ってきた著者が子育ての基本方針となる「ゆくり学」を提案する。
「ゆくり」とは、直接的な人とのつながりだけでなく、過去や未来、物や出来事とのつながりといったさまざまなつながりのことであり、人の生きやすさを導くためのもの。子供という柔軟な脳を持つ時期にゆくりを学ぶことが大切だ。
本書の前半では、ゆくり学の基本的な考え方や実践に向けての基礎知識を解説する。五感について、挨拶や睡眠、生活習慣、親の心の余裕などについて触れる。
後半では著者がこれまで出会った子供たちや家族と、ゆくりの事例を紹介。「朝起きられなくなった男の子」「友達を叩いてしまう男の子」「挨拶ができない女の子」など、子供の豊かな心の育ちを支援する11のエピソードを収録する。
子育てには悩みがつきもの。すべての親たちに向けた”家庭のお助け本”として執筆された。困りごとの解決の糸口が見つかる一冊。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年11月17日号掲載