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予防の一首!! 学校の感染症【第15回】新型コロナウイルス感染症(COVID―19) 特別編①多様な症状と感染経路

2020年9月21日
連載

潜伏期間は最長14日

多くは軽症だが基礎疾患あるとリスク増

新型コロナウイルス感染症は、潜伏期間が114日と長いのが特徴です。5日間が最も多く、発熱や強い疲労感から始まり、発症から1週間程度はかぜ症状の軽症のままで、約8割の人は治ります。

しかし、残りの2割の人でその後、咳や痰、呼吸困難が続いて肺炎症状が増悪して入院となり、人工呼吸管理が必要となると約23%で致命的になります。

発症者の多くが軽症であるといわれていますが、妊婦、高齢者や基礎疾患等のある人は、重篤になる可能性があるため注意してください。若い世代でも、脳梗塞などの血栓症が海外では報告されています。

接触感染にも注意を
嗅覚や味覚への影響例も

感染の徴候としては、日本でも嗅覚と味覚の異常が認められています。多くの患者では、嗅覚や味覚の障害は一過性でやがて回復していますが、長期的に持続する場合もあります。目の粘膜組織である「結膜」からの感染の可能性について、日本眼科学会は結膜炎の併発に注意としています。一部の患者では聴覚障害や脱毛が認められるとされています。

他の人へ感染させることが可能な期間は、発症患者については、発症2日前から発症後710日間程度と考えられています。血液、尿、血液、尿、便からも感染性のあるウイルスが検出されます。便や尿に含まれるウイルスに由来する接触感染や飛沫感染、トイレや排水・排気管などによるエアロゾル感染も疑われています。

一方、感染しても無症状のままで終始する不顕性感染者でも、約10%が感染を広げると考えられています。

特に、小児ではほとんどが不顕性感染ですが、その半数近くがウイルスを排泄しているとの報告もあります。

長期の潜伏期間中に感染
インフルエンザより厄介

今回の新型コロナウイルスは、季節性のインフルエンザに比べて恐れる必要はないという人がいます。

しかし、①潜伏期間が長い、②発症の2日前からウイルスを体外に排出して感染源になる可能性があり、③感染しても無症状のこともあり、その人もウイルスを排出してほかの人を感染させる可能性がある、④体の外での生存期間が長い、910日時点では⑤コロナウイルスに対して確定した治療法がない、⑥ワクチンが存在しない、という点でインフルエンザ以上に厄介です。

「潜伏期間が長い」「潜伏期間中も感染する」「感染しても無症状のことが多い」「体外での生存期間が長い」ので、気付かないうちに急速に拡大し、医療機関や福祉施設で重症肺炎が多発して顕在化するということになり、先を見越した対策が必要です。

だからこそ、感染陽性者を積極的に探す検査体制の拡充が必要です。呼吸器感染症が流行しやすい冬季に向けて、新型コロナウイルス流行に向けた対策を今のうちに準備しておくべきでしょう。

岡田晴恵(白鷗大学教育学部教授)

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年9月21日号掲載

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