文部科学省は2026年度概算要求で、築25年以上の学校施設の老朽化がピークを迎えるとともに、子供たちの多様なニーズに応じた教育環境の向上を目的に、公立学校施設の整備に2066億円+事項要求を計上。前年度予算(691億円)を大幅に上回る。さらに安全・機能面で耐用年数を超えた施設が増加した国立大学・高専等施設の整備に771億円+事項要求を計上し、前年度予算(364億円)の2倍を上回る請求とした。
公立学校は新しい時代の学びに対応した教育環境の向上と老朽化対策を、一体的に整備する内容。バリアフリー化、他施設との複合・集約化、校内ネットワーク環境の整備等を推進する。さらに防災・減災、国土強靭化のため、非構造部材の耐震化やバリアフリートイレ、空調設置等避難所としての学校の防災機能強化が含まれる。
また2050年のカーボンニュートラル達成に向け、学校施設のZEB化(高断熱化、LED照明、高効率空調、太陽光発電等)、木材利用(施設の木造、内装の木質化)の促進等の推進が含まれる。
国立大学法人等施設設備への要求には、キャンパス全体が有機的に連携し、ソフト・ハードの取組が一体であらゆる分野・場面でプレーヤーが共創することで新たな価値を創造できる拠点である「イノベーション・コモンズ」の実現を強化する(安全確保と併せた人材育成、先端研究、グローバル化等に貢献する施設整備など)。
多様化する学習内容・方法等の変化に対応した学校施設等の整備推進に1億778万円(前年度6813万円)を計上。調査研究協力者会議で学習指導要領の改訂を踏まえた学校施設のあり方、新時代の学びに対応した教育環境づくりに必要な学校施設設備を検討。学校施設整備指針や学校施設バリアフリー化推進指針等を普及・啓発する。
学校現場と学校施設関係者を結ぶ学校施設整備推進プラットフォーム構築事業(整備事例・相談窓口・共創の実現に向けた取組支援及びオンラインコミュニケーションツールを用いたプラットフォームの構築)を含む。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年9月15日号掲載