立春から数えて二百十日(にひゃくとおか)は9月1日頃になり、稲の開花から実りの秋になる中、台風や豪雨等の災害が起こりやすい時期にあたります。現在も防災の日として注意喚起を再認識します。
白露は9月8日~21日頃で、空気が冷え、昼夜の気温差が大きくなり、朝夕に露が降りるようになる様子を指します。草露白(くさのつゆ、しろし)とされ、草に降りた露が白く光って見える頃で秋の気配が徐々に深くなります。
例年ならようやく残暑も終わり、秋景色の中、実りの季節がやってきます。夏の日差しを浴び大きく色よく成長した食材が収穫の時を待つ時期です。
玄鳥去(つばめ、さる)とされ、春に日本に来た燕が温かい南の地へ帰る頃です。
昼夜の長さが同じになる秋分は、秋のお彼岸の中日に当たる9月23日です。この日を境に日中は短くなり、冬へと近づきます。
季節の花としてワレモコウや露草、コスモスが見頃となります。旬の食材として新里芋が出始め、スダチやカボス、青柚子等の爽やかな酸味の果実や秋茄子、南瓜、無花果や栗、落花生といった種実類も美味しくなります。
魚介類ではサンマが最盛期になり、鰯や太刀魚も出回ります。
秋茄子の揚げびたしを作りました。茄子は5本、大葉5枚、輪切り唐辛子少々が主材料です。茄子はヘタの部分をなり口に向かい斜めに削るように回しながら切り取ると、余すところなく使えます。縦に半分に切り、皮目に格子状に細かめに切り込みを入れます。大きいものは半分に切り水に浸けてアクを抜きます。
ヘタ取り
切り込み
大葉は細切りにしてあく抜きのために水に浸けます。調味液はだし汁300ccに濃口醤油50cc、上白糖10㌘、みりん50ccを小鍋で沸かし、米酢50cc、輪切りの唐辛子を加えておきます。
フライパンに5㌢ほど調合油を入れて温め、水けを拭き取った茄子を入れ揚げていきます。温度は160度位(菜箸を入れて気泡が付いてくるくらい)。油を少し切って調味液につけ、冷やして汁を添えて盛り付け、大葉を添えていただきます。食が進む一品です。
素揚げ
盛り付け
【食育メモ】秋茄子は嫁に食わすなということわざは、この時期の茄子は実が締まり滑らかで美味しいのでもったいないからなど諸説あります。茄子はカリウムが多く体を冷やしやすいので、孫を生んでくれる大切な嫁の体を気遣った姑の優しさを表した言われというのが本当のようです。
【著者】フードディレクター・澤坂明美=管理栄養士。女子栄養大学香友会と業務提携し『プロカメラマンとフードコーディネーターに教わる料理写真講座』を継続開催、女子栄養大学認定料理教室等を主宰する。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年9月15日号掲載