「安心・安全でおいしい給食を提供するセンター運営」をテーマに講演した町田市教育委員会学校教育部保健給食課担当課長・三宅紳平氏は、中学校給食センター開業の経緯と取組を発表した。
◇
町田市教委学校教育部保健給食課担当課長 三宅紳平氏
町田市の中学校給食は選択制・ランチボックス形式の給食だったが、2025年度までに給食センター方式で全員給食を導入することとし、給食センターを市内3か所に整備(2か所開業)。「食を通じた地域みんなの健康づくり拠点」をコンセプトに、「魅力的で美味しい給食を中学生たちに届けるセンター」、「地域とつながりあい、新たな価値を生み出しつづけるセンター」を目指した。
献立による給食のエネルギー量の増減はあるが、平均摂取量約760㌔㌍に作成。十分な量や栄養バランスがとれた給食を提供するため、直近では今年7月に給食費を改定した。
食物アレルギー対応では安全性を最優先。給食センターからは複数校かつ大人数に給食提供するため、食物アレルギー事故が起こらないよう、食物アレルギー対応は簡素にし、食物アレルギー専用食の献立を作成し提供している(自校式の小学校では個別除去)。アレルギー専用食を配送する際はそれぞれ保温容器に入れ、生徒ごとに食缶にまとめて配送している。
食物アレルギー専用食を食べる生徒によっては、食物アレルギー専用食にもアレルゲンが含まれる場合があり、その日には自宅から弁当を持参している。このように弁当併用を行う生徒には事前に献立表を確認してもらい、食物アレルギー専用食と自宅からの弁当の一方を決定している。
地場産野菜の活用も行っている。町田市は市内在住の農業者、または市内に農業経営の拠点がある農業者が生産記録等の管理の下で生産した農産物を「まち☆ベジ」としてブランド化。給食食材として活用して魅力的な給食を提供している。
町田市をホームタウンとするプロスポーツクラブと連携した給食の提供も行っている。FC町田ゼルビア応援給食では、Jリーグチームの管理栄養士が考えた献立で給食を提供し、おいしく給食を食べながらホームタウンチームを応援するきっかけとしている。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年8月11日号掲載