• StuDX Style
    教育委員会対象セミナー
    KKS 学校教材 学校教材をお求めの方
    JBKジュニア防災検定
  • ブックレビュー
    都道府県別教育旅行リンク集
    おうちミュージアム
教育ICT

【第14回】KOSENから未来を創造 滋賀県立高等専門学校(設置構想中)「2028年4月、滋賀県初の高専が開校」

2026年6月24日
連載

県内経済界などが待ち望んだ教育機関

滋賀県は昭和30年代前半まで、第一次産業を中心とする農業県だった。名神高速道路、東海道新幹線が開通すると、急速に工業立地が進展した。

当時、国立の高等専門学校が全国に次々と設置されていったが、滋賀県に設けられることはなかった。そのため、県内の経済界などから、高専の設置要望が県に寄せられていた。

滋賀県知事の三日月大造氏は2014年に就任以来、技術者を育成する教育機関の設置を検討してきた。

2020年度に、教育機関を高専に絞り込み、22年度から開設準備がスタート。2028年4月に滋賀県野洲(やす)市に開校予定となった高専が、滋賀県立高等専門学校だ。

【第14回】KOSENから未来を創造 滋賀県立高等専門学校(設置構想中)「2028年4月、滋賀県初の高専が開校」

滋賀県立高専のホームページ

少人数クラスで丁寧なサポート

滋賀県立大学高専開設準備局によれば、一般的な高校・高専は1クラス40人であるが、滋賀県立高専は1クラス30人の少人数とし、教員が一人ひとりを丁寧にサポートする。

設置学科は工学科。この中に情報系、電気電子系、機械系、建設系の4つのコースを設定する。全学生が情報技術を学び、2年次以降、4コースに分かれて学ぶ。

キャンパスは最寄りのJR野洲駅から徒歩圏内だ。

近江富士と呼ばれる三上山や野洲川が眺望できる自然豊かな県有地に、全5棟の校舎および付随施設・設備を新設する。公立高専としては初となる学生寮(定員50名)も設置する。

県外からも学生を募集する。

JR野洲駅は京都から30分、大阪府北摂地域や岐阜県大垣市からも60分のアクセスで、広範囲から通学できる。

地域社会と県が一体となり高専を応援

2022年5月、県内経済6団体、県建設業協会、公立大学法人滋賀県立大学、滋賀県の9者が、高専設置の実現と開校後の持続的な運営に向けて協力し合う「高等専門学校の設置に向けた共創宣言」を行った。

地域社会と県が一体となり、若い技術者を育成し、産業発展を目指すことが確認された。

この共創宣言を踏まえて23年11月に「県立高専共創フォーラム」が立ち上がった。現在270以上の企業が参画し、連携・共創による技術者育成のためのメニューづくりに向けて検討を進めている。

その一つのメニューに、4年次の「共創インターンシップ」がある。これは多くの大学などで行われているキャリア教育のインターンシップ(就業体験)とは異なり、企業での実務体験を通じて、高専で学んだ専門知識・技術がどのように現場で活用されているかを学ぶ「実践教育」だ。

近江の心が備わった人材

滋賀県は近江聖人と呼ばれた陽明学者、中江藤樹(なかえとうじゅ)生誕の地である。

滋賀県立高専は陽明学の理念のひとつである「知行合一」を建学の精神に据え、価値創造ができ、専門性と実践力を兼ね備えた高度専門人材を育成していく。

「滋賀県立高専の教育理念は、科学技術の専門知識と合理的な行動力の融合によって、次代の社会を技術で支える実践力と豊かで幸福なエンジニア人生の基礎を築き、新たな社会課題にも自信をもって立ち向かえる、しなやかでたくましい人材を育成していくというものです。陽明学の思想である知行合一は、本校の教育理念とも適合するものです」(滋賀県立大学高専開設準備局 越後敏夫局長)

また、近江商人の「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)の考え方は、滋賀県では、今もなお浸透している。滋賀県立高専では「三方よし」の精神も教育活動を通して涵養していく。

「他者と協働しながら課題を解決するために対話力・人間力が必要となってきます。その観点でも三方よしの考え方は重要となってきます。加えて、環境配慮の視点も重視していますが、ものづくりにおいて、環境負荷低減やサステナビリティの視点を持つことは、三方よしの考えにも通じるものであると考えています」

まずはやってみよう!失敗を恐れないマインド

「高専生は科学に強い興味を持ち、考えるよりもまずはやってみようという気質が強いように感じます。日本において、このような失敗を恐れずにとりあえずやってみるというマインドは、新たなモノを創っていく場面では非常に良い効果を発揮すると思います」

日本が今後とも国際競争力を維持していくためには、製造業を支え発展させていく高度な専門人材が必要だ。

越後局長は「エンジニアは高専卒業後50年にわたって技術者として社会に貢献していくことになります。その地力を備えて卒業できるよう、しっかりと基礎的力を養うことが重要と考えます」と高専教育への意気込みを語る。

(蓬田修一)

教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年6月22日号掲載

  • フィンランド教科書
  • StuDX Style
    教育委員会対象セミナー
    KKS 学校教材 学校教材をお求めの方
    JBKジュニア防災検定
  • ブックレビュー
    都道府県別教育旅行リンク集
    おうちミュージアム
最新号見本2026年06月22日更新
最新号見本
新聞購入は1部からネット決済ができます

PAGE TOP